作家紹介
アーロ・マーフィーは音、香り、アニメーションとガラスを使ったインスタレーション・アーティストである。彼の作品は、自然と人工の境界線を探る経年インスタレーションやキネティック彫刻というかたちで表現される。作品制作において繰り返し取り上げられるテーマは、機械と複雑なメカニズムが空間作用を取り入れる能力と、ロボットと機材の間でシフトするパフォーマンスの可能性だ。アーロは現在、アムステルダムのサンドバーグ・インスティチュートの即時スペース・スタジオで研究員として建築的嗅覚と匂いのデジタルシステムについて調査している。
過去3年間に渡り、アーロは音と香りを投影するaudiolfactory 器機シリーズを展開している。自動的に合成アロマが香るようにプログラミングされたカスタム吹きガラスのフルートシリーズ。Tokyo Art & Science Research Residencyは、アーロにとって科学研究と彫刻インスタレーションを融合するまたとない機会だ。
レジデンシー概要
アーロ・マーフィーはレジデンシー期間中、日本の都市部の匂いについて研究する。Bio-Club Tokyoで研究室を設け、都内各所を散歩や訪問した際に集めた匂いを調査する。蒸留、温浸、チンキ剤を用いた様々な抽出方法で実験し、東京の物質や匂いを収集し、コレクションをつくることを目指す。また同時に、ヘッドスペース技術と臭気センサーも研究する予定だ。アーロがこのような匂いの採取技術に興味を抱くのは、匂いを通して空間をバーチャルに再構築する可能性に基づく。
「私は今年のレジデンシーに選出され、非常に興奮しています。嗅覚研究をより深く掘り下げ、匂いを通して東京を探検するまたとない機会です。」
写真:アーロ・マーフィー